ウェルネスこらむvol.03 足の指が未来を支える?ー知られざる成長のカギ「足はじ力」

 子どもたちを観察していると、足の使い方には、意外と個人差があります。足の指でしっかり地面をつかみ、足裏のバネを活かして動く子もいれば、あまり力が入らず、ペタペタ歩く子もいます。
 こうした違いは、遊びや日常の中で少しずつ積み重なり、将来の姿勢やバランス、運動能力に影響すると考えられています。

足の指は「体を支える土台」

 足の指でしっかり地面をとらえる力のことを「足趾把持力(そくしはじりょく)」といいます。体操教室の先生からも「足を指まで使えている子は安定していて動きがスムーズ」と伺ったことがあります。見えにくい部分ですが、全身を支える“土台” として重要な役割を果たしているのです。

研究からも見えてきていること

 スポーツ科学の研究では、足趾把持力が強い子どもほど、走る・跳ぶ・バランスをとるといった動きが得意になる傾向があることが報告されています。つまり、足の指をしっかり使う力は「運動の基礎体力」に直結しているといえそうです。
 さらに近年では、足の指の力が弱いと「浮指(指が地面につかない状態)」になりやすく、姿勢の崩れや転倒リスクとも関係していることが指摘されています。小さな指先の働きが、全身の安定性やケガの予防にまで影響しているのです。
 こうした背景を考えると、足趾把持力はアスリートだけに必要な力ではなく、子どもたちが健やかに成長するための基盤だといえるでしょう。

研究からも見えてきていること

日常の中で意識できること

 特別なトレーニングをする必要はありません。例えば、裸足で砂や草、土の上を歩いたり、足の指でタオルをつかむ遊びを取り入れたりするだけで、自然と足の感覚は磨かれます。さまざまな場所を素足で感じ、動かし方を学ぶことで、遊びながら発達を促すことに繋がります。

 子どもの成長は、日々の関わりや小さな気づきの積み重ねによって育まれます。普段の遊びや生活の中で足の動きを意識し、時々その変化に気づける機会があると、子ども自身も“できた” を感じやすく、次の挑戦への意欲につながります。そんな前向きな循環が、健やかな成長を支えていきます。